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      研究開発リーダーの参考書02

      新しい上司が着任してきたら

        今回は、サラリーマンの世界ではよくある事象ですが、
       人事異動により上司が他部署から着任したときの対応方法について
       お話ししましょう。

        サラリーマンにとって(特に新任役員適齢期の本部長クラスにとって)
       人事異動によって新しいセクションを担当させられるときは、
       (異常に)張り切って新しい方針を出したがるものです。
       しかし、とんでもない方針を出されても困るものです。
       では、どのような対応をすればいいのでしょう。

       一般的に技術者は、学生時代を含め何年か特定の技術領域で
       仕事をしています。
       その結果、技術者は一人一人に備わった技術領域を
       持っていることになります。
       そして、今まで携わってきた技術を要素技術に展開すると、
       例えば「電気回路設計技術のアナログ領域」が彼の得意技術領域
       というふうに領域を特定できるはずです。

        さて、新しい(超・張り切りボーイの)上司の心を捉えるには、
       この上記の原則を忘れて付和雷同的に同調すると
       「よし、やろう!」となったとき、必要な領域の技術者がいなくて、
       いざ実施という段階で「化けの皮」が剥がれてしまいます。

       自動車メーカーの「ホンダ」がジェット機を開発したことを
       ご存知だと思いますが、張り切りボーイが、自動車の技術者に
        「俺は飛行機をやるぞ!」と檄を飛ばしたとします。
       聡明な読者の皆さんには既にお分かりでしょうが、
       車は風圧を避ける形状になっています。

       すなわち技術領域で話せば、「流体力学」の領域ということになり、
       飛行機の羽を含む気体の設計は同じ技術領域ということになり、
       自部門に技術者を抱えているはずですから、
       機体については開発可能ということになります。
       また、ジェット機ですからプロペラはありませんがプロペラの設計も可能で、
       最近はやりの風力発電の羽も設計できるということになります。

       ということで「我々のチームはジェット機の機体だけでなく、
       風車の羽も開発可能です。風力発電事業にも乗り出しましょうよ!」
       と新任上司を喜ばせることも可能です。

        技術者の集団は「技術で勝負」するのが本筋です、
       前任者に義理立てして従来のテーマに固執することも、
       新しい上司に盲目的に追随するのもやめましょう。

       開発対象を何にするのかは経営的な観点からマネージメントが決めることです。
       あなたの部下、あなたの担当しているグループの技術領域を少しでも広げ、
       フレキシビリティのある強い開発軍団になっておくことが、
       新しいボスの信頼を勝ち取る鍵です。

                         
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