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      研究開発リーダーの参考書17

      成果主義が叫ばれる中で、
           開発リーダーはどのように行動すればいいのでしょう?


       
 総人件費を押さえる一方で、個人のやる気を引出す(結果をだした
        個人に報いる)という目的で、成果主義を取り入れる企業が
        多くなってきました。

        日経新聞の調査によりますと、大手企業の7割近くが多かれ少なかれ
        成果主義を取り入れているそうです。

         このように成果主義がブームですが、成果主義の導入が進むにつれて、
        問題点も指摘されるようになってきました。

        例えば、日本独特の先輩が後輩に仕事を伝授していくという美風も、
        教えすぎると自分の足をすくわれるのではないかと考えるようになったとか、
        あるいは特許の出願件数が評価対象だとすると、特許の中身より
        件数を増やして得点を稼ごうとするようになったとか。

        短期指向の成果主義で間違った人事評価を行いますと、
        人はいい仕事をしなくなる恐れがあります。


         日経新聞が実施した2004年の「働きやすい会社」調査では、
        ビジネスマは「仕事のやりがい」「高い賃金」「適度な労働時間」を
        あげています。

        評価の高かった企業はといいますと、
        1位が日本IBMで、管理職への若手や女子の登用が、
        2位は松下で、人材育成に注力する姿勢が評価されたそうです。

        いずれの場合も、「仕事のやりがい」に結びつく内容が評価されています。

         もうひとつ「やりがい」に関する話で、アメリカ南部の
        小さな町でのエピソード(日経新聞2004.6.9号)です。

        洋服の仕立て屋を開いたユダヤ人に嫌がらせをするために、
        少年たちが店先で「ユダヤ人、ユダヤ人」とやじるようになりました。
        困った店主は、ある日少年たちに「私をユダヤ人と呼ぶ少年には
        10セント硬貨をあげよう」と言って、少年1人ずつに硬貨を与えました。

        大喜びした少年たちは、次の日もやじりに来たので、
        今度は5セント硬貨を与えました。
        そしてさらに翌日「これが精一杯だ」と言って1セント硬貨を与えると、
        少年たちは2日前の1/10の額であることに文句をいい、
        「それじゃあ、あんまりだ」と言って2度と来なくなりました。

        無報酬でやっていた行為なのに、お金を支払うという行為が入った瞬間、
        人は「全ての価値をお金で判断する」ようになってしまうもののようです。


         さて、成果主義の導入は世の中の流れです・・・。
        既に、あなたの会社では導入が終わっているかも知れません。
        部下を持っている開発リーダーはどうすればいいのでしょう。

         あなたは、(苦しいでしょうけど)グループをまとめるリーダーとして、
        「やりがいのある職場作り」に専念しなければなりません。
        と同時に会社の方針だからといって、大きな「給料の差」を
        つけてはいけません。

        従来の、日本型年功制は給料で報いるシステムではなく、
        次の仕事の内容で報いるシステムでした。

        成果主義の第1目標は、賃金に大きな差をつけることが目的ですが、
        日本の場合は(まだまだ)終身雇用体制ですから、
        次の仕事で報いるという日本的なシステムを併用して、
        グループ員のやる気をなくさせないよう気を配りましょう。

         評論家で有名な「堺屋太一氏」は以下のように述べています。
        「この仕事は君の得になる、面白くなる」と説得すると同時に、
        面白い職場作りに知恵を絞らなければならない。

        これは経営者に対して述べている言葉ですが、グループリーダーの
        あなたにも、そのまま当てはまる言葉です。

                         
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