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      研究開発リーダーの参考書15

      開発リーダーは「徹底した現場意識」を持とう


       
 日本の製造業が抜群の競争力を持っていた1980年代は、
        モノづくりの基本を徹底し、QC・ZD・5S等々の改善活動を
        重視した経営手法で、経営者も管理者も技術者も
        「何か問題があれば現場に飛び出していく」という現場意識が
        徹底されていました。

         最近はシミュレーションの技術が進んで、コンピューターの画面上で
        いろんなことができるようになりました。
        この新しいツールを使わない手はないのですが、
        技術開発の最後の「詰め」は現場にあると言っても過言ではないでしょう。

         「5S」・「ZD」・「QC」というと古臭い製造現場のことのように
        感じられるかも知れませんが、そうではありません。
        モノづくりのための開発こそ、徹底した現場主義を忘れてはなりません。

         「5S」とは、整理・整頓・清潔・清掃・躾の頭文字の
        「S」をとって5Sです。
        決して、掃除を徹底するということではありません。
        「あたり前のことを、あたり前にできる職場作り」なのです。

        実験室の道具も整理できないような技術者が、
        いいデーターを採れるとは到底思えません。
        また、実験装置を大切にできないような技術者に、
        データーから浮かび上がってくる「些細な変化」や
        「思いがけない相関関係」などを読み取ることはできませんよね。
        開発グループこそ「5Sの精神」が必要なのです。

         ZD(Zero Defects=無欠陥)運動は、無欠陥という言葉から
        製造現場での不良率ゼロを目指す運動のように思われがちです。
        しかし、本当の意味は製品の品質・コスト・納期を守り、
        お客様に安心して製品をご利用いただくための改善活動がZD活動です。

        開発リーダーに課せられたテーマは、設計段階でのZD活動が重要です。
        お客様に、品質的に安心・満足できる価格・欲しいときに買える、
        そのようなことを満足できる製品開発を行う「心」を養うことが、
        「真のよい製品」をお客様にご提供できる基本です。

         QC(Quality Control)活動は、改善小集団活動のことを指します。
        QC活動の基本パターンは、〔1〕テーマを決める、〔2〕現状を把握する、
        〔3〕改善を実施する、〔4〕効果の測定を行うです。
        どうですか、開発活動の原点みたいなものでしょう。

         シミュレーション技術を十分に使いこなした上で、
        さらに現場主義を徹底する。
        これがモノ作りのための開発の基本ではないでしょうか。

         中国や東南アジアから、モノ作りが少しずつ回帰し始めました。
        日本の製造業が息を吹き返すのももうすぐだと信じたいですね。
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