目次へもどる

      研究開発リーダーの参考書12

      新製品を予定通り世の中に送り出すための手法

         日程どおりに新製品を世に送り出すということは非常に難しく、
        工夫のいる仕事です。
        例えば「自動車や家電」のように、何十年も同じ製品を開発している
        会社でさえ、発売予定日が守れなくて発売日を遅らせるということは
        よくあることです。

        あたり前の話しですが、このようなことはどこの会社も公表しませんから、
        外からは分かりませんがよくあることです。
        皆さんの会社の中にも、心当たりがあるのではないでしょうか?

        本当に古くて新しいテーマで、どこの企業でも悩んでいるテーマでしょう。
        今日は、役に立つ日程管理の手法をお教えしましょう。

         1958年、アメリカで開発された開発日程管理手法の一つで、
        PART(Program evaluation and review technique)と呼ばれ、
        最初にアメリカ海軍が「ポラリス型ミサイルの開発」に
        採用された管理手法のお話しです。

        一般的に、複雑な開発工程で構成されているプロジェクトは、
        相互に関係を持っており「あの開発が完了しないと、
        この開発には取りかかれない」というような仕組みになっています。

        PARTの手法の特徴は、相互に関係する個々のプロジェクトの
        作業量を見積もり、「楽観的な見積もり」「確実そうな見積もり」
        「悲観的な見積もり」の3ケースの見積もりを行って、それぞれに
        ウエイトをかけて統計処理して、開発日程を割り出す手法です。

         最も重要なことは、PARTを忠実に実施すればする程、
        問題点の共有化が進み(それも事前に)、チームの連帯感や
        協調の精神が生まれてくることです。

        この手法を使う基本は、まずは開発プロジェクトを項目別に分類します。
        次に、分類されたプロジェクトごとの開発ターゲットを明確にし、
        プロジェクトごとに開発日程を算定します(見積もります)。

        このPARTを有効に使うためには、チーム員全員がそれぞれ担当している
        プロジェクトについて徹底して議論しなければなりません。

        結果として、議論を通じて自分が担当していないプロジェクトの内容も
        理解できるようになり、チーム全員の結束力が高まります。
        しかも議論を通じて、プロジェクトごとの関係が明確になり
        どの仕事が遅れると次のどの工程がショートするかが明確になります。

        このようにして、自然に全員参加の開発体制が組めるということです。
        しかも、この手法は開発日程算定の方法として「特に安全サイドで考える人」
        「特攻精神でチャレンジする人」「普通の人」の意見すべてを採用して、
        統計手法をつかって計算するわけですから、
        開発リーダーは議論を通じて、チーム員全員の性格も把握できます。

         「納期が厳しい!、全員一丸となって努力せよ」等々と
        叱咤激励しても、何の効果もあがりません。
        ネックになっている工程(PRATではクリティカル・パスといいます)
        だけが問題なのです。

        開発リーダーはそのクリティカル・パスに注目し、進捗状態を把握した上で
        具体的で効果的な手を打たなければなりません。

        時には叱咤激励も必要かもしれませんが、技術開発ですから
        ロジカルな行動で、あなたのプロジェクトを成功に導きましょう。
                         Copyright (C) 2004 Masaki Konishi. All rights reserved.