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      研究開発リーダーの参考書11

      シックス・シグマ(6σ)は、今でも参考になる


       
 1980年代の日本の製造業は、品質・コスト・納期ともに
        抜群の競争力を持っていました。
        欧米から見れば「過剰品質」と思われるような、高品質の製品を送り出し
        欧米の市場を席巻しました。

        このことに危機感を抱いた欧米は、日本を徹底的に解析し
        各種の経営手法を編み出しました。

        代表的な手法の一つが「シックス・シグマ(6σ)」でした。
        携帯電話などの通信機器で有名なモトローラー社が開発した手法ですが、
        6σを採用し高収益体質に会社を大変身させたのは、
        世界のエクセレントカンパニーGE(当時の代表はジャック・ウエルチ)です。

         もともと6σは品質管理手法のひとつで、100万個の製品を作る過程で
        不良を3個にするというもので、少々の改善では達成することはできず、
        経営課題にまで及ぶことがたびたびでした。

        6σが80年代の日本の管理手法と異なる点は、
        日本的な企業風土をフル活用したQCサークル活動やZD運動を
        徹底分析した上で、アメリカ企業風土にふさわしいトップダウン・
        マニュアル・リーダーシップを軸とした手法に作り変えたことでした。

         その、6σの基本は(MAICと言われていますが)、
        〔1〕問題点に対して徹底して測定(Measurement)を行って
        課題を明確にします・・・〔M〕
        〔2〕次にデーターをもとに分析(Analysis)を行い・・・〔A〕
        〔3〕改善(Improvement)を行った上で・・・〔I〕
        〔4〕管理(Control)を徹底します・・・〔C〕
        ということで何の変哲もない手法のように思えますが、
        6σの素晴らしいところは計画革新を実現するための
        コンセプトや全体枠組みの設定方法にあると言われています。

         さらに進んで、最近のGEでは、DFSS(デザイン・フォー・
        シックス・シグマ)ということで、
        新製品開発するときに、研究開発・設計段階から品質を織り込んで、
        品質を極限まで追求するという、新しい手法を活用しています。

        DFSSの基本は「顧客満足度」と「品質改善」を合体させたものといえます。
        GEメディカル・システムズが商品開発したCTスキャナーは
        DFSS応用の第一号で、従来品の6〜8倍の処理能力があるそうです。

         また、東芝シグマコンサルティング社のホームページによりますと、
        モバイル新製品の開発、設計品質の向上、半導体部品の歩留向上等々に
        応用された例が報告されています。

         基本は「課題を明確に」し、データーをもとに「分析」を行い、
        徹底した「改善」を行い、出来上がった体制の「管理(維持)」を徹底する
        ということです。
        80年代の日本のアプローチとなんら変わりません。

        開発のリーダーである皆さんは、日本的な手法と6σのような
        ロジカルアプローチの両方を取り入れて、開発の効率を上げてください。

                         
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