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第10回 まとめ
 
 第2回のA式でご説明したように、研究開発活動の資金は、企業がビジネス活動によって生み出した粗利の一部から充当されます。従って資金が足りない場合は、自らが稼ぎ出すことから始めなければなりません。研究開発資金の原資となっている粗利を増やすためには、@式の売価を高めるかコストを低減するかのどちらかです。
 順番としては、取り組み易いコスト削減からスタートしたほうが得策だと思われます。なぜなら、生産現場はいつでも驚くほど多くの改善項目(コスト削減テーマ)が転がっているからです。

 次に、第3回で説明したSWOT分析などの手法を使って、他社製品と自社製品の比較検討を行い、コスト削減で浮いた資金を使って、強みをより強く、そして弱みを補強しなければなりません。

  製品の仕様を決める際には、お客様が何を望まれているのかを徹底的に解析しなければなりません。世の中の技術の流れだけを見ていては、第8回で説明したようにピント外れの研究開発に力を注ぐことになってしまいます。
 お客様のニーズを解析することは「世の中が必要としているモノをタイミングよくお届けする」企業使命ともピッタリ一致する行動です(第2回)。

 技術ありきではなく、お客様が望む製品開発を行うわけですから、自社技術だけでは完成しない場合があるはずです。その場合は積極的にパートナーを見つけて協業しましょう。協業の成否は第9回で説明したように、どこまで具体的に詰められているかにかかっています。

 以上のような行動を続ければ、潤沢な研究開発資金を手に入れることが出来るはずです。しかし、ここで気を抜いてはなりません。企業に体力がついてきたら、目標達成までに時間のかかるテーマを少しずつ追加していきましょう。
 時間のかかるテーマは、顧客のニーズが変化する、他社に先を超される、緊急テーマが飛び込んでくる等々、いろいろな外乱が入ってきます。このようなときにこそ経営課題に立ち戻り、テーマ自体の必要度と優先順位を見極める必要があります。

 再度、「技術投資の費用対効果を最大化すること」がMOTの要諦だと申し上げて、本シリーズを終わりにさせていただきます。